モバイルWi-Fiといえば、WiMAXとワイモバイル(Y!mobile)のポケットWiFiの二大巨頭です。WiMAXが3日間制限を10GBに緩和すれば、翌月にはポケットWiFiも10GBに緩和するといった激しいライバル関係にあります。
それでは、WiMAXとポケットWiFiはどのような違いがあるのでしょうか?様々な角度から、徹底的に比較したいと思います。
WiMAXとポケットWi-Fiを徹底比較
月額料金:引き分け
契約特典などは考えに入れずにWiMAXとポケットWi-Fiの月額料金を比較すると、まるで示し合わせたかのように同じ金額でした。
ということは、月額料金については両者引き分けなので、他のところがポイントになります。
WiMAX | プラン | ポケットWi-Fi |
---|---|---|
なし | 月間5GB | 2,480円 |
3,696円 | 月間7GB | 3,696円 |
4,380円 | 月間制限なし(※) | 4,380円 |
※WiMAX、ポケットWi-Fiともに、3日間合計で10GBの上限あり。超えた場合は、翌日18時頃〜翌1時頃まで通信速度が最大1Mbpsに低速化します。
WiMAXは月間7GBと無制限プランの2つ
WiMAXのプランには、月間7GBの上限がある「ツープラス」と月間通信データ量の上限なし(3日間10GBの上限あり)の「ギガ放題」があります。
ツープラスは、プロバイダ(GMOなどの接続事業者)によっては「ライトプラン」などと言われることもあります。
ポケットWi-Fiは月間5GBと7GBのプランが基本
ポケットWi-Fiは月間5GBと月間7GBの上限があるプランが基本となります。
月間制限なし(3日間10GBの上限あり)となるアドバンスモードに対応しているルーターであれば、オプションで申し込むことができます。
オプション:引き分け
オプションとなる通信モードを比較すると、オプション内容は異なるものの、結局は同じことになるので引き分けとしました。
WiMAXのオプションは、幅広いエリアでつながりやすいLTE通信を利用できるというものです。WiMAXで主流の3年契約プランでは、通常月額1,005円であるLTEオプションの料金が無料になります。
ポケットWi-Fiのオプションは、無制限(3日間10GBの上限あり)に通信できるアドバンスモードを利用できるというものです。アドバンスモード対応端末であれば利用できるオプションで、月額684円です。
WiMAXはオプション料金が無料(3年契約の場合)なので月額料金は変わらず4,380円、ポケットWi-Fiはオプション料金を加えて月額4,380円となります。
結局はどちらも、LTE通信と無制限モードが使えて月額4,380円とまったく同じです。
WiMAX | ポケットWi-Fi | |
---|---|---|
LTE 7GB/月(月額1,005円)
(※) |
オプション | 無制限(月額684円) |
4,380円 | オプション利用時の月額料金 | 4,380円 |
※2年契約プランの場合。3年契約プランは無料。
WiMAXはLTE通信がオプション
WiMAXの場合、LTE通信を使うには別途オプション料金が必要になります。LTE通信はエリアが広く繋がりやすいという特徴がありますが、一方でたくさん利用することはできないという欠点があります。

WiMAXでLTEオプションを使うと、月額料金は以下のようになります。
- ギガ放題 → 5,385円
- ツープラス → 4,701円
しかし、3年契約の場合はオプション料金が無料になります。
WiMAXは3年契約が主流なので、LTEオプションは無料というケースがほとんどです。
なお、LTEモードには注意点があります。LTEモードで月間7GBを超えた場合、制限なしモードも含めて通信制限がかかります。
そのため、LTEモードはほとんど使わないと思います。制限なしモードはLTEモードよりも繋がりにくいとはいえ、主なエリアは対応しているのでほとんど問題ありません。
したがって、LTEモードはどうしても必要という方以外はあまり使いません。
ポケットWi-Fiは無制限通信がオプション
ポケットWi-Fiの場合、はじめからLTE通信を利用できます。そして、月間上限なし(3日間10GBの上限あり)の通信モードがオプションとなります。
月間上限なしの通信モードのことを、アドバンスモードといいます。アドバンスモード対応のルーターであれば、アドバンスオプションを利用できます。

契約期間:引き分け
契約期間はポケットWi-Fi、WiMAXともに3年契約が基本です。どちらも同じなので、引き分けとなります。
WiMAXはもともと2年契約がメインでしたが、現在は3年契約しか取り扱っていないプロバイダが大半です。
WiMAXの本家であるUQ WiMAXでは、2年や4年というプランもありますが、3年契約に比べてコスパが悪いのでおすすめできません。
なお、WiMAXとポケットWi-Fiどちらも契約期間中に解約すると、違約金(解約料)が発生します。
WiMAX | ポケットWi-Fi | |
---|---|---|
3年(※) | 契約期間 | 3年 |
※UQ WiMAXでは2年と4年のプランあり。ほとんどのプロバイダは3年契約しか選べない。
WiMAXは3年契約
WiMAXは3年契約が主流です。もともと主流だった2年契約が無くなってしまったのは大変残念ですが、今は3年契約しか取り扱っていないプロバイダがほとんどなので仕方ありません。
3年契約では、LTEオプションが無料になります。
ポケットWi-Fiは3年契約のみ
ポケットWi-Fiは3年契約しか選べません。
機種代金:WiMAXの圧勝
WiMAXの場合、機種代金は無料のことが多いです。有料でも数千円程度なので、機種代金の分割払いで月額料金が上がるということがありません。
一方、ポケットWi-Fiは機種代金が数万円かかるので、一括または分割で支払うことになります。分割の場合は月額料金に上乗せされるので、「月月割」のようなものが適用されても千円ていど増額となります。最初に一括で支払う場合でも、数万円支払うのは負担です。
したがって、機種代金についてはWiMAXの勝ちとさせていただきます。
WiMAX | ポケットWi-Fi | |
---|---|---|
0〜数千円 | 機種代金 | 数万円 |
WiMAXは機種代金0円のプロバイダが多い
WiMAXは機種代金0円のプロバイダが多いので、通信料金だけを考えれば済みます。機種代無料ではなくても、1円や高くても3,000〜4,000円程度です。
多くのプロバイダでは、最新機種でも0円でゲットできます。本来は数万円かかるものなので、その分割引になっているということです。
ポケットWi-Fiは数万円の機種代金がかかる
ポケットWi-Fiは機種代金がかなり高いです。最新機種の場合は6万円を超えます。
古い機種が大幅に割引されることがありますが、それでも0円ではありませんでした。
以下の項目で説明している通り、ポケットWi-Fiには「月月割」のような月額割引があるのですが、それでも機種代が高額過ぎて支払い金額が膨らんでしまいます。
月額割引:ポケットWi-Fiの勝ち
月額割引を比較すると、割引金額ではポケットWi-Fiに軍配が上がります。
WiMAXは月額割引キャンペーンに申し込む以外は、月額料金に対する直接の割引はありません。月額割引キャンペーンを実施しているプロバイダの中で一番割引額が大きいGMOとくとくBBでも、ポケットWi-Fiの割引額には及びません。
WiMAX | ポケットWi-Fi | |
---|---|---|
919円(※1) | 月額割引 | 1,100円前後(※2) |
※1.GMOとくとくBBの月額割引特典に申し込んだ場合。
※2.機種により若干異なる。
WiMAXは月額割引キャンペーン以外は割引なし
WiMAXは月額割引キャンペーン以外では、月額割引はありません。
つまり、キャッシュバックキャンペーンに申し込む場合は、月額料金が直接割引になることはありません。ただし、キャッシュバックによって、実質的には割引になります。
ポケットWi-Fiは毎月割引
ポケットWi-Fiは、毎月1,100円前後割引になります。かなりお得なのですが、前述のように機種代金が高いので、月額料金はWiMAXよりも高額になってしまいます。
契約特典:WiMAXの圧勝
WiMAXはプロバイダがたくさんあるので、その分契約特典も豊富で充実しています。機種代金無料に加えて3万円のキャッシュバックということもあるので、実質利用料金はかなり安くなります。
ポケットWi-Fiは基本的にワイモバイルだけなので、契約特典も限られてきます。ヤフーモバイルでもポケットWi-Fiを契約することはできますが、特典は少ないうえに最新機種はワイモバイルしか取り扱っていません。
WiMAX | ポケットWi-Fi | |
---|---|---|
キャッシュバック
または 月額割引 |
契約特典 | アドバンスオプション3ヶ月無料 |
WiMAXは契約特典が充実
WiMAXの契約特典といえば、高額キャッシュバックが有名です。キャッシュバックによって、利用料金をかなり安くすることができます。
キャッシュバック以外にの契約特典として、月額割引があります。月額割引特典は、毎月の利用料金から自動で割引されるというものです。割引額を合計するとキャッシュバックには及びませんが、勝手に割り引かれるので楽というメリットがあります。
また、キャッシュバックや月額割引ばかりが注目されがちですが、端末代金無料というのも大きな契約特典です。端末代金は数万円なので、その分割引になっているということです。
ポケットWi-Fiは契約特典が少ない
ポケットWi-Fiは取り扱っている会社が少ないことで競争がないためか、契約特典はあまりありません。
月額684円かかるアドバンスモードのオプション料金が、3ヶ月無料という特典だけです。
ヤフーでもお得は少ない
ワイモバイルと同じソフトバンク系であるヤフーモバイルでも、ポケットWi-Fiを契約することができます。
以前はヤフー独自のキャンペーンを実施していましたが、今は単にワイモバイルを取り扱っているだけという感じになってしまったため、特別お得とは言えなくなりました。
しいて言えば、ヤフー会員でヤフーカードを所有している方などは、ポイントが貯まりやすいと思います。
通信制限:引き分け
WiMAXとポケットWi-Fiはどちらも、月間通信データ量や3日間の通信データ量の上限を超えた場合に適用される通信制限があります。
通信データ量の上限、制限された場合の通信速度、制限される期間ともにほぼ同じです。
ただし、ポケットWi-Fiの場合はデータ通信量を追加購入することで月間制限の方は解除できます。
WiMAX | 通信制限 | ポケットWi-Fi |
---|---|---|
当月末まで送受信最大128Kbps | 月間 | 当月末まで送受信最大128Kbps |
10GBを超えた場合
翌日18時頃〜翌2時頃まで 送受信最大約1Mbpsに制限 |
3日間 | 10GBを超えた場合
翌日18時〜翌1時まで 送受信最大約1Mbpsに制限 |
WiMAXの通信制限
月間7GBのプラン(ツープラスまたはライトプラン)では、当月のLTE通信と無制限通信のデータ通信量の合計が7GBと超えた場合、当月末まで通信速度が送受信最大128Kbpsに制限されます。速度制限は、翌月1日に解除されます。
最大128Kbpsという速度ではインターネットの利用は難しいので、事実上WiMAXが使えなくなります。
ギガ放題プランでは、月間通信データ量の上限はありませんが、3日間の通信データ量の合計が10GBを超えた場合には通信速度の制限があります。この場合、翌日18時頃〜翌2時頃まで通信速度が約1Mbpsに制限されます。
約1Mbpsという通信速度は、WiMAXの公式サイトで「YouTubeの標準画質レベルが視聴可能」とされている通り、なんとかインターネットは使える速度です。制限される時間も夜間の8時間ほどなので、月間通信データ量の上限を超えたときの通信制限よりはかなりゆるくなっています。
ギガ放題であっても注意が必要なのは、LTE通信です。LTE通信は月間7GBの上限があり、超えた場合は無制限モード(WiMAX 2+)を含めて厳しい通信制限がかかってしまいます。ギガ放題の月間通信データ量の上限なしというのは、無制限モード使用時に限るということは理解しておく必要があります。
通信モードの切り替えは簡単で、勝手に切り替わらないように設定できます(初期設定でそうなっています)。また、利用している通信モードはルーターの画面に表示されるのでひと目でわかります。
ポケットWi-Fiの通信制限
ポケットWi-Fiの通信制限はWiMAXと基本的に同じです。違う点は、以下の2点です。
- 通信データ量を追加購入できる(解除可能)
- 3日間の通信制限が適用される時間が1時間ほど短い
ポケットWi-Fiには、月間7GB以外のプランがあります。プランごとの月間通信データ量を超えた場合、当月末まで通信速度が送受信最大128Kbpsに制限されます。通信制限を解除する場合は、500MBごとに500円で通信データ量を追加購入できます。
ポケットWi-Fiの3日間制限はWiMAXと同じで、「3日間の通信データ量の合計が10GBを超えた場合に通信速度が約1Mbpsに制限される」というものです。違いは制限時間で、「翌日18時〜翌1時まで」とWiMAXよりも1時間短いです。3日間制限の場合は、通信データ量の追加購入はできません。
ポケットWi-Fiの場合も、通常モードで月間7GBを超えた場合はアドバンスモード(無制限モード)も含めて通信制限が適用されます。
その他
ルーターの性能面は大差なし
WiMAXとポケットWi-FiのWi-Fiルーターの性能は、それほど差がないというのが実情です。主なルーターはどちらも同じファーウェイ製ということもあり、スペックに大きな違いはありません。
通信速度についても、WiMAXの最新機種では下り最大1Gbpsを上回る性能が記載されていますが、こういった最高速度が提供されているのは限られたエリアのみです。ほとんどのエリアでは対応しておらず、下り最大440Mbpsがメインとなります。
ポケットWi-Fiもそのへんの事情は似たりよったりです。
通信可能エリアは、LTE通信は幅広いエリアに対応、無制限モードは市街地が中心というのもWiMAX・ポケットWi-Fiともに共通しています。
したがって、WiMAXとポケットWi-Fiのどちらにしようか迷ったときは端末の性能以外(料金・契約特典)がポイントになります。
WiMAXは機種が豊富
端末の性能にはほとんど差はありませんが、機種のラインナップが多いのはWiMAXです。
前述のファーウェイ製のルーターだけでなく、日本のNEC製のルーターもあります。
また、持ち運びできるモバイルルーターだけでなく、据え置き型のルーターもあります。
- 家で手軽にWi-Fiを使いたい
- 外出時は必要ない
といった場合には、コンセントを挿すだけで簡単にインターネットに接続できる据え置きタイプのルーターが便利です。
結論:選ぶならWiMAX
ここまで、WiMAXとポケットWi-Fiを項目ごとに徹底比較してきました。それをふまえて、WiMAXとポケットWi-Fiのどちらを選ぶのかという結論を問われたら、WiMAXという答えになります。
WiMAXとポケットWi-Fiの違いはあまりない
上で見てきたように、WiMAXとポケットWi-Fiには以下の点ではあまり違いはありません。
- 基本料金
- 契約期間
- 速度制限
- 通信速度などの端末スペック
- 利用可能エリア
WiMAXとポケットWi-Fiの違いは、機種代金と契約特典です。
機種代金と契約特典を比べればWiMAX
WiMAXは機種代金が0円というプロバイダが多いので、機種代金がかかりません。一方ポケットWi-Fiは機種代金が数万円かかるので、一括購入するか毎月の月額料金に加えて分割払いすることになります。
機種代金がかからないWiMAXは、ポケットWi-Fiよりも数万円安く利用できます。
契約特典については、様々なプロバイダがあるWiMAXが圧倒的です。数万円のキャッシュバックや月額割引といったキャンペーンを利用すると、さらに利用料金を数万円安くできます。
ポケットWi-Fiは、オプション料金(月額684円)が3ヶ月無料になるというだけなので、合計2千円ほど割引になるだけです。ポケットWi-Fiには月月割がありますが、それを超える額の機種代金がかかるので、割高感は否めません。キャッシュバックなどの契約特典もないので、さらなる割引も期待できません。
WiMAXとポケットWi-Fiをあらゆる面から徹底的に比較した結果、ポケットWi-FiよりもWiMAXを選ぶ方がお得であるというのが結論です。
LTEがメインならネクストモバイル
ここまでWiMAXとポケットWi-Fiについて比較してきましたが、どちらもLTE通信は最大で月間7GBという上限があります。無制限の通信モードがあるので、通常はLTE通信はあまり使いません。
とはいえ、中には無制限モードのエリア外という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、エリアが広くつながりやすいLTE通信をたくさん使いたいと思います。
そのような方におすすめなのが、NEXTmobile(ネクストモバイル)です。
ネクストモバイルは、プランによりますがLTE通信を20GB〜50GBも使うことができます。利用料金は定額かつ低額で、月額2,760円〜3,490円です。
機種代金は0円です。また、3日間の通信制限はありません。契約期間が2年間なのもメリットです。

20GBプラン | 30GBプラン | 50GBプラン | |
---|---|---|---|
月額利用料 | 2,780円 | 3,490円 | 3,490円(1年目)
4,880円(2年目) |
月間通信データ量 | 20GB | 30GB | 50GB |
3日間制限 | なし | なし | なし |
1GBあたりの月額利用料 | 約138円 | 約116円 | 約97円(1年目)
約116円(2年目) |
契約期間 | 2年間 | 2年間 | 2年間 |
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